地球温暖化防止
基本的な考え方
ENEOSグループは、「脱炭素社会形成への貢献」に向けて、サプライチェーン全体でのCO2排出を削減します。
事業活動における省エネルギーを軸に、当社の温室効果ガス排出削減を進めています。また、再生可能エネルギー事業の拡大、水素・カーボンニュートラル燃料等の早期実用化、環境負荷を低減する環境配慮型商品の販売・開発を通じて社会全体の温室効果ガス排出削減に努めています。
なお、全社的な気候変動問題への取り組みや、TCFD関連は、気候変動のリスク/機会への対応(TCFD)をご参照ください。
体制
体制については、環境マネジメントをご参照ください。
重点課題と計画・実績
2022年度の目標と結果・進捗
評価:達成・順調未達
ESG重点課題 | 取り組み項目 | 目標(KPI) | 結果・進捗 | |
---|---|---|---|---|
脱炭素社会形成への貢献 | CO2排出削減(自助努力による削減量) | CO2排出削減 2009年度比 428万トン削減 |
2009年度比 430万トン削減 |
実績
- ※マークについては編集方針をご確認ください。
GHG総排出量(Scope1+2)の推移
- ※地球温暖化対策推進法(温対法)に基づいて算出。2022年度実績からは、売電・売熱分を加味して算出。
- ※上記に関連する詳細データについてはデータ編をご参照ください。
石油精製のエネルギー消費原単位
- ※対象範囲:ENEOSグループの石油精製部門。
CO2以外のGHG排出量の内訳(2022年度)
項目 | 単位 | 排出量 |
---|---|---|
CO2以外のGHG排出量合計 | トン | 116,656 |
(1)CH4(メタン) |
トン | 30,320 |
(2)N2O(一酸化二窒素) |
トン | 85,929 |
(3)HFCs(ハイドロフルオロカーボン類) |
トン | 223 |
(4)PFCs(パーフルオロカーボン類) |
トン | 0 |
(5)SF6(六フッ化硫黄) |
トン | 184 |
(6)NF3(三フッ化窒素) |
トン | 0 |
CO2以外のGHGは、主に原油・ガス生産時に随伴して生じるCH4と石油精製時に加熱炉から排出されるN2Oです。
これらのガスも含め、今後もGHG排出量削減に努めていきます。
第2次中期環境経営計画(2020~2022年度)の取り組み
目標
サプライチェーン全体におけるCO2排出削減量
中期目標(2022年度)2009年度比428万トン削減*
- *2022年削減目標は2009年比で約15%の削減を目指しています。なお、当社のCO2排出削減目標には需要減による要素は含まれていません。
実績
CO2排出削減イメージ
- *Scope1+2の排出量。
2022年度実績
CO2排出削減(2009年度比)実績 | |
---|---|
(1)生産拠点でのCO2排出削減 | 210万トン |
省エネルギー | 210万トン |
CO2-EOR* | 0万トン |
(2)生産拠点以外でのCO2排出削減 | 220万トン |
- *CO2-EOR(Enhanced Oil Recovery)とは、CO2圧入による石油増進回収技術。火力発電所の石炭燃焼排ガスから回収したCO2を油田まで輸送し老朽油田に圧入、貯留することにより、大気中へのCO2の放出量削減と原油の増産を同時に実現します。
カーボンニュートラル基本計画
目標
GHG排出量目標(Scope1+2)
対象会社 | 項目 | 2023年度 | 2024年度 | 2025年度 |
---|---|---|---|---|
ENEOS | GHG排出量 | 2,854万トン以下 | 2,815万トン以下 | 2,966万トン以下 |
製油所等の排出削減 | ▲35万トン | ▲50万トン | ▲51万トン | |
CCS | 貯留候補地選定 | 貯留地の決定 | 詳細設計 | |
森林吸収 クレジット創出量 |
12万トン創出 | 23万トン創出 | 54万トン創出 | |
JX石油開発 | GHG排出量 | 67万トン以下 | 63万トン以下 | 62万トン以下 |
メタン排出量 | 1,650トン以下 | 1,000トン以下 | 350トン以下 | |
CCUS | 52万トン以上 | 112万トン以上 | 112万トン以上 | |
JX金属 | GHG排出量 | 79万トン以下 | 72万トン以下 | 72万トン以下 |
グループ合計 (2013年対比削減量) |
3,000万トン以下 (▲593) |
2,950万トン以下 (▲643) |
3,100万トン以下 (▲493) |
目標達成に向け、以下3つの柱に取り組みます。
- ①省エネ、燃料切り替え、再生可能エネルギーの活用等の製造・事業の効率化により、当社グループが排出する温室効果ガスの量を減らす
- ②可能な限り①を実施しても排出される温室効果ガスは、CO2を回収して地下に貯留するCCSを推進する
- ③上記①②を実施したうえで、残る温室効果ガス排出については、森林吸収等のCO2除去手段を活用する
主な取り組み
生産拠点での省エネルギー
当社グループの製油所・製造所等では、熱交換機の増設・効率化、回転機の高効率化等の取り組みを行い省エネルギーを推進しています。
2022年度のGHG排出量(Scope1+2)*は、新型コロナウイルスの影響による需要減退が回復の基調となったことに加え、トラブルにより停止していた装置の稼働再開などにより、前年度から増加し2,793万トンとなりました。
一方、稼働の回復により石油精製のエネルギー消費原単位は8.92(原油換算kl/常圧蒸留装置換算通油量千kl)と前年度から0.16ポイント良化しました。
2022年度のグループ全体の省エネ関連設備投資額は、約6.1億円でした。今後とも製油所・製錬所における省エネルギー技術の導入促進や運転最適化等により省エネルギーを推進していきます。
- *GHGプロトコルで定義されているScope1,2。
金属事業の主要事業所でのCO2フリー電力導入
JX金属グループでは、CO2自社総排出量の約6割は電力に由来するため、2020年度からCO2フリー電力*の導入を開始しました。2022年度は、契約上の制約がある一部拠点を除き、国内の主要拠点においてCO2フリー電力への切り替えを完了しました。海外拠点においても順次、切り替えを進めています。
- *化石燃料等を用いずCO2を排出しない実質非化石電源に由来する電力で、調整後CO2排出係数が0.00t-CO2/kWhとなるもの。水力や風力、太陽光などの再生可能エネルギー電力のほかに原子力発電が含まれる場合もある。
研究開発における取り組み
当社グループは、エネルギートランジションの実現に向けて、次の分野で研究を進めています。
2022年度のグループ全体の研究開発費は約294億円でした。
- 再生可能エネルギー由来のCO2フリー水素の製造・貯蔵・輸送・供給に関する技術開発
- CO2フリー水素とCO2を原料とした合成燃料製造に関する技術開発
- 再生可能エネルギーの有効活用に資する水素製造や蓄電池運用計画の最適化に関する技術開発
- バイオ燃料に関する技術開発・事業性評価
- プラスチック資源・使用済タイヤのリサイクルに関する技術開発
- 石油精製プロセスの合理化・効率化
- 環境配慮型商品(自動車用省燃費潤滑油など)の開発
早稲田大学との共同研究拠点「ENEOSラボ」の取り組み
ENEOSは2019年11月に締結した包括連携協定に基づき、早稲田大学とともに「持続可能な未来社会実現」に向けたイノベーションを推進しています。分野横断的なオープンイノベーションを通して、カーボンニュートラル社会の実現に資する技術を探索しています。同大学研究開発センターエリアに設置した「ENEOSラボ」を共同研究の拠点として、水素、電池材料、ロボット関連の「CO2削減に向けた革新技術の研究」に取り組んでいます。
再生可能エネルギー由来の合成燃料の製造技術開発
ENEOSは、航空機・自動車等のモビリティ、化学品・潤滑油の原料といった幅広い分野におけるカーボンニュートラル化に向け、ジェット燃料やガソリン、軽油等の化石燃料の代替となる合成燃料の製造技術開発に取り組んでいます。
合成燃料は、再生可能エネルギー由来のCO2フリー水素とCO2を原料とするカーボンニュートラル燃料であり、製品ライフサイクル全体でのCO2排出量を抑制できます。また、従来の化石燃料と同様に扱えることから既存の車両や製油所設備、流通経路等を有効利用でき、エネルギートランジションの実現に向けて重要な役割を果たします。
ENEOSは、2022年4月に採択されたグリーンイノベーション基金*の支援のもと、合成燃料の早期製造技術確立および社会実装を目指します。
- *日本の「2050年カーボンニュートラル」に向けた経営課題に取り組む企業等に対して、国が10年間、研究開発・実証から社会実装までを支援する事業。水素・燃料アンモニア産業を含む、エネルギー関連産業、輸送・製造関連産業、家庭・オフィス関連産業の14の分野が対象。
合成燃料の製造工程
「公益信託ENEOS水素基金」による水素エネルギー供給研究助成
ENEOSでは、水素エネルギー社会の早期実現に貢献することを目的に、2006年3月に「公益信託ENEOS水素基金」を創設しました。
同基金は、水素エネルギー供給に関する研究助成に特化した公益信託としては日本初です。水素エネルギー供給に関する「独創的かつ先導的な基礎研究」に対し、総額5,000万円(1件当たりの上限1,000万円)の研究助成金を約30年間にわたり安定的に交付することが可能な規模を有しています。2023年6月現在の信託財産は約7億円であり、今後約13年間にわたって安定的に交付することが可能です。
調達・物流における取り組み
ENEOSでは、主に日本に原油を運ぶ海上輸送において、配送効率や燃費効率の良いタンカーの利用、輸送ルートの最適化、運航スケジュールや速度コントロールによる燃費の向上等に積極的に取り組んでいます。
また、陸上輸送においては、油槽所の集約、タンクローリー等の物流効率化に加えて、アイドリング・ストップの徹底など、燃料消費量の削減に努めています。
国内輸送におけるCO2排出量
- ※対象範囲:ENEOS
流通段階における取り組み
ENEOSでは、全国に展開するサービスステーションにおいて、太陽光パネルの設置やLED照明の導入等を行っており、省電力対策を積極的に推進しています。
消費段階における取り組み
2022年度の販売した製品の使用に伴うCO2排出量*は、18,342万トンでした。
ENEOSでは、環境負荷低減に寄与する「環境配慮型商品」の販売・開発推進を通じて、消費段階でのCO2排出量削減に取り組んでいます。環境配慮型商品として販売する商品・サービスは、その認定の基準、手続きを明確にし、適切な管理を行っています。
- *GHGプロトコルで定義されているScope3。
主な「環境配慮型商品」
- 省燃費潤滑油
- 電気自動車・ハイブリッド車向け専用フルード
- 天然ガス・LNG
- 液晶ポリマー
- 再生可能エネルギー発電電力
詳細は、ENEOSの環境配慮型商品をご参照ください。
カーボンニュートラルな天然ガス・LNGの販売
ENEOSでは、海外の森林保全プロジェクト由来の二酸化炭素(CO2)クレジット*を活用したカーボンニュートラルな天然ガス・LNGの販売を同社として初めて2021年度に開始し、以来都市ガス事業者に供給しています。
ENEOSのカーボンニュートラルな天然ガス・LNGは、インドネシアなどの森林保全プロジェクトから創出されたCO2クレジットなどを活用し、天然ガスの採掘から燃焼に至るまでの工程で発生するCO2を相殺し実質ゼロとするものです。地球規模での温室効果ガス排出量削減に加え、現地での雇用の創出や生物多様性の保護等にも貢献しています。
- *環境保全等のプロジェクトにより創出されたCO2削減効果を、信頼性の高い検証機関がCO2クレジットとして認証したものです。
取引先等との協働(CSR調達)
資機材などの購入にあたり、環境負荷などの社会的影響を考慮したCSR調達を行っています。
詳細は、サプライチェーンマネジメントをご参照ください。
温室効果ガスの排出抑制に向けたCO2見える化
当社グループおよび社会における温室効果ガス排出量削減に向けて、当社グループはそれら排出量の見える化を推進しています。
全社のCO2排出量を可視化し一元管理するCO2見える化システムを2023年度中に導入します。システムの構築に向けて、ENEOS、(株)ウェイストボックス、(株)NTTデータの3社共同による検討を2023年3月に開始しました。ENEOSの石油製品を対象としたカーボンフットプリント(CFP)*1算定と、100を超える拠点の温室効果ガス排出量管理を目的として、次の機能をシステムに持たせる計画です。
- 1)温室効果ガスの法定報告に向けた組織単位の温室効果ガス排出量集計の業務効率化
- 2)月次予実管理によるカーボンニュートラル計画の実行管理
- 3)製品ごとのCFPの算定と削減検討の効率化
同システムの構築により、製品単位での炭素情報の統一的な把握・管理、製造における低炭素化の取り組みのCFPへの影響分析や新製品企画段階におけるCFPの見える化、そして低炭素製品の環境価値の訴求によるビジネス機会の創出を目指します。
システム導入後、ENEOSの石油製品のCFPデータを顧客へ提供していきます。潤滑油、石油化学製品、機能材等の一部から開始し、対象製品を順次拡大していく予定です。なおCFPについては、Cradle to Gate*2と呼ばれる、原料調達から製品の出荷段階までに排出される温室効果ガスの量を算定します。原料調達・製造に伴う排出量の算定にあたってはLCA手法*3を用います。
- *1商品やサービスの原材料調達から製造等の各ライフサイクルにおいて排出される温室効果ガスの排出量を、CO2に換算して表示する仕組み。CFPはCarbon Footprint of Productsの略。
- *2原材料調達、生産、流通、販売、使用・維持管理、廃棄・リサイクルで構成されるライフサイクルステージのうち、原材料調達から生産までを指す。
- *3製品製造について、原料等の調達から製造、輸送、使用、廃棄までのライフステージ全体の環境影響を定量的に評価する手法。LCAはLife Cycle Assessmentの略。
ENEOSグループにおけるCO2見える化の概略
気候変動対応に資する事業
再生可能エネルギー発電事業の推進
当社グループは、2022年度末までに国内外の再生可能エネルギー発電量を100万kW超とすべく事業を推進してきました。その目標を、2022年1月のジャパン・リニューアブル・エナジー(JRE)の株式取得によって達成しました。また、2023年4月に、ENEOSの再生可能エネルギー事業をJREに事業統合し、再生可能エネルギー事業の成長を一層強固にできると考えています。なお、再生可能エネルギー発電容量は約126万kW(2023年6月時点、建設中含む)です。
JREは、国内有数の再生可能エネルギー事業者であり、高い事業開発能力を有しています。同社の事業開発能力と当社グループのエネルギー事業で培ってきた知見を結集することにより、さらに事業を発展・加速させ、日本を代表する再生可能エネルギー事業者を目指すとともに、脱炭素社会におけるエネルギーの「3E+S(安定供給・経済性・環境適合性+安全性)」の実現に貢献していきます。
再生可能エネルギー発電所に関する情報は、ENEOSのウェブサイトをご参照ください。
計画中発電事業一覧
発電事業 | 発電容量* | 運開予定 | |
---|---|---|---|
国内 | JRE宮城加美町風力発電 | 4.2万kW | 2024年3月 |
平戸風力発電 | 0.9万kW | 2024年3月 | |
大分別府湾風力発電 | 0.9万kW | 2024年6月 | |
新潟第一太陽光発電 | 1.8万kW | 2024年12月 |
- *発電能力100%ベース
エネルギー源別発電能力(2023年6月現在)
火力*1(9拠点) | 石油等(7拠点) | 912MW |
LNG(CCGT*2) (2拠点) |
598MW | |
太陽光(81拠点) | 664MW | |
水力(1拠点) | 5MW | |
風力(9拠点) | 126MW | |
地熱(1拠点) | 0.1MW | |
バイオマス(2拠点) | 91MW | |
合計 | 2,396MW |
- *1火力は製油所自家使用除き能力。
- *2CCGT(コンバインドサイクルガスタービン)を備えたガス火力発電所。
再生可能エネルギー発電実績(2022年度)
太陽光 | 666,106MWh |
水力 | 24,629MWh |
風力 | 202,515MWh |
地熱 | 36MWh |
バイオマス | 604,436MWh |
合計 | 1,497,722MWh |
- ※2022年度のENEOSの電気事業における温室効果ガス排出係数は、0.000452 t-CO2/kWh(調整後)です(2021年度実績-2023年1月24日 環境省・経済産業省公表、2023年5月26日一部修正)。
水素サプライチェーンの構築
水素は、利用段階でCO2を排出せず、製造段階でも再生可能エネルギーを用いることでCO2フリー水素(グリーン水素)の生産が可能なことから、カーボンニュートラル実現の切り札となるエネルギーとして期待されています。
燃料電池自動車(FCV)の普及台数は約8,000台(2023年9月末時点)であり、全国に164カ所の水素ステーションが整備されています。ENEOSは、そのうち約3割にあたる43カ所(2023年9月末時点)の水素ステーションを運営しています。FCVの航続距離の長さと充填時間の短さから、バスやトラックなど商用車を中心に今後普及すると見込んでおり、ENEOSはそれに対応した大型水素ステーションの整備を進めていきます。
また、水素の大量消費社会の到来を見据え、再生可能エネルギー等の資源が豊富な海外で製造したグリーン水素を日本に輸送・供給するサプライチェーンの早期構築を目指し、国内外の企業や自治体とも協業しながら、さまざまなプロジェクトを進めています。その一環として、海外からグリーン水素を大量かつ高効率に国内に輸送するため、水素キャリアの1つであるメチルシクロヘキサン(MCH)に着目し、コスト低減に資する独自のDirect MCH®技術の開発に取り組んでいます(詳細はニュースリリース参照)。
ENEOSの製油所は、従来から大量の水素を安全に取り扱ってきたノウハウがあること、また、港湾・桟橋・タンク等の既存インフラが活用できること、加えて、水素の大規模な需要が見込まれる発電所や製鉄所と近接していることなど、将来、水素の安定供給の重要拠点となるポテンシャルを有しており、これらを最大限活用しながら、水素供給インフラの整備を進めていきます。
製油所をハブとするCO2フリー水素サプライチェーンの構築
水素サプライチェーン構築関連の活動
海外
プロジェクト・組織 | 地域 | 事業概要 |
---|---|---|
日豪間のCO2フリー水素サプライチェーンの構築 | オーストラリア | 豪州企業2社(ネオエン社(正式名称:Neoen Australia Pty Ltd)、オリジン社(正式名称:Origin Energy Limited)、それぞれとの間で、安価で安定的な再エネ電力由来の水素製造の供給可能性について協業検討を実施。 効率的な水素の貯蔵・輸送形態の1つであるメチルシクロヘキサン(MCH)プラントおよび日本への海上輸送について検討。 詳細は、以下ニュースリリース参照。 ・ネオエン社 ニュースリリース ・オリジン社 ニュースリリース |
マレーシアを拠点としたCO2フリー水素サプライチェーン構築(再エネ由来) | マレーシア | マレーシア・サラワク州において、水力発電所による再エネ由来の電力を用いて、数万トン規模のCO2フリー水素を製造。その後、MCHに変換し、ケミカル船によりマレーシア国外の需要地への海上輸送を検討。 詳細は、ニュースリリース参照。 |
サウジアラムコとのCO2フリー水素・アンモニアのサプライチェーン構築に向けた協業 | サウジアラビア | サウジアラムコが生産・供給する化石資源由来の水素製造事業や、製造時に発生するCO2を回収・貯留する事業、およびアンモニアやMCHによる需要地への水素の海上輸送を対象にフィージビリティスタディを実施。 詳細は、ニュースリリース参照。 |
アラブ首長国連邦と日本間のクリーン水素サプライチェーン構築に向けた共同事業化検討 | アラブ首長国連邦 | ADNOC(Abu Dhabi National Oil Company)の製油所・石油化学工場由来の副生水素および天然ガスから生産されるブルー水素をMCHに変換し、日本に輸出することを対象にフィージビリティスタディを実施。 詳細は、ニュースリリース参照。 |
日本国内
プロジェクト(地域) | 事業概要 |
---|---|
NEDOグリーンイノベーション基金事業への採択 | CO2フリー水素サプライチェーンの構築に向けて実施する、①MCHサプライチェーンの大規模実証、②直接MCH電解合成(Direct MCH®)技術開発、③水素発電技術(専燃)実機実証、④液化水素サプライチェーンの商用化実証の計4件の実証事業が、国立研究開発法人 新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の「グリーンイノベーション基金事業」として採択。実証期間は2030年度末まで(④のみ2029年度末まで)を予定。 詳細は、ニュースリリース参照。 ・実証事業①~④(4件)に関するニュースリリース ・実証事業④に関する川崎重工業(株)および岩谷産業(株)との連名ニュースリリース |
石油精製の既存装置へのMCH投入実証 | ENEOSの製油所の石油精製装置においてMCHから水素を取り出し、利用する実証。石油精製の既存装置を使用したMCHの脱水素は、国内初の取り組み。実証候補地は川崎製油所、和歌山製造所、水島製油所等があり、2023年度まで実証予定。 詳細は、千代田化工建設(株) ニュースリリース参照。 |
東京湾岸エリアにおける水素利活用調査事業 | 川崎臨海部を中心とする東京湾岸の脱炭素化を目指し、火力発電所や製鉄所等の大規模なCO2フリー水素の潜在的な需要家をカバーする水素パイプライン網の構築に関する調査を実施。 また、川崎市の協力のもと、市内コンビナートの既存パイプラインの活用可能性を評価するとともに、水素パイプライン新設(延伸)に伴う課題を整理し、臨海部に位置するENEOSの製油所を海外の安価なCO2フリー水素の受け入れ拠点とし、水素パイプラインによる効率的な水素供給インフラの構築を目指す。 詳細は、ニュースリリース参照。 |
京浜臨海部における大規模水素利用の本格検討 | 川崎臨港部を中心とした地域において、主に水素需要家としての視点から需要量の推計、関連する技術開発の動向把握、水素供給事業者・機器メーカー・供給企業等との連携などの検討を進める。 詳細は、ニュースリリース参照。 |
(株)JERA、JFEホールディングス(株)との3社による京浜臨海部を拠点とした水素・アンモニア供給検討 | 京浜臨海部において、ENEOSの製油所、(株)JERAの火力発電所やLNG基地、JFEスチール(株)の高炉等休止後の土地や大型船が着岸可能な大水深岸壁を活用し、水素・アンモニアの受け入れ拠点整備や供給ネットワーク構築について検討する。 詳細は、JERA ニュースリリース参照。 |
むつ小川原地区における水素地産地消モデル調査事業 (青森県) |
陸上・洋上風力等の再生可能エネルギーの豊富な青森県むつ小川原地区における、CO2フリー水素の地産地消事業モデル構築に向けた調査を実施。 詳細は、ニュースリリース参照。 |
Woven Cityにおけるトヨタ自動車との水素エネルギー利活用検討 (静岡県裾野市) |
水素ステーションの建設・運営、水素ステーションでのCO2フリー水素の製造、水素ステーションからWoven Cityおよび燃料電池自動車への水素供給に着手する。さらに、水素の需給管理システムについて具体的な検討を進める。 詳細は、ニュースリリース参照。 |
水素ステーションの整備 | 日本全国における水素ステーションは164カ所(2023年9月末時点)あり、このうちENEOSは43カ所の水素ステーションを運営。水素ステーションの戦略的な整備を目指して、2018年2月に自動車メーカーとインフラ事業者、金融投資家等が設立した「日本水素ステーションネットワーク合同会社(JHyM)」に参画し、オールジャパンでの協業により、戦略的な水素ステーションの整備と効率的な運営に取り組む。 詳細は、ニュースリリース参照。 |
水素ステーション内で製造したCO2フリー水素(再エネ由来)の商用販売(国内初) (横浜市旭区) |
水素ステーション内の太陽光パネルで発電した電力とENEOSグループから調達した再エネ電力を使用して水を電気分解することによって製造したCO2フリー水素を販売。水電解装置の運転を再エネ発電量や水素需要の状況に応じて最適に制御する水素EMSを2021年度に導入。 将来的には、水素EMSとさまざまなエネルギーリソースを遠隔制御するVPP(バーチャルパワープラント)を連携させることにより、安価な電気代でのCO2フリー水素の製造を目指す。 詳細は、ニュースリリース参照。 |
高出力燃料電池搭載船の実用化に向けた実証事業 | 今後、利用拡大が見込まれる船舶分野での燃料電池活用を目指し、中型観光船を想定した150トンクラス相当(旅客定員100人程度)の商業利用可能な燃料電池搭載船の開発および実証運航を実施。 タンクローリーまたは陸上に設置された水素タンクから、水素を要求時間内に要求品質で安全に船上タンクに供給するための、配管・計装システムを開発。 2023年から建造・製作を開始し、2024年に横浜港沿岸にて実証運航を開始する予定。 詳細は、以下ニュースリリース参照。 ・実証事業に関するニュースリリース ・横浜市との連携に関するニュースリリース |
鉄道の脱炭素化に向けたCO2フリー水素の利用拡大に関する連携協定 | 東日本旅客鉄道(株)の鉄道の脱炭素化に向け、水素ハイブリッド電車へ水素を供給する総合水素ステーションの開発、水素混焼発電による電力供給の脱炭素化などを共同で検討する。 詳細は、ニュースリリース参照。 |
羽田空港および周辺地域の水素利用調査 | 海外で製造した水素を川崎臨海部に輸入し、需要地である羽田空港周辺まで輸送するモデルによる水素供給ポテンシャルの調査、羽田空港施設内の電気・熱・GSE車両への水素利活用および周辺地域の水素利活用による水素需要ポテンシャルの調査等を実施する。 詳細は、ニュースリリース参照。 |
北海道大規模グリーン水素サプライチェーン構築調査事業 | 太陽光や風力などの再生可能エネルギー資源が豊富である北海道において、大規模なグリーン水素サプライチェーンを構築すべく調査事業を実施する。 詳細は、ニュースリリース参照。 |
CO2-EOR技術・CCS技術を活用した石油・ガス開発
JX石油開発では、地球温暖化の原因となるCO2の排出削減に配慮しながら事業活動を推進しています。
米国テキサス州において、火力発電所の燃焼排ガスから回収したCO2を老朽化した油田に圧入するプロジェクトに取り組んでいます。このプロジェクトでは、2017年4月からの累計で377万トンのCO2を油田に圧入しており、CO2-EOR(Enhanced Oil Recovery:石油増進回収)技術による原油増産効果に加え、温室効果ガスの排出削減に大きく貢献しています。
また、2020年3月に、独立行政法人エネルギー・金属鉱物資源機構(JOGMEC)とともに、マレーシアの国営石油会社ペトロナスとの間で、ガス田から排出されるCO2を回収し、再度地下に圧入するCCS(Carbon dioxide Capture and Storage:CO2回収・貯留)技術を用いたガス田開発における共同スタディ契約を締結しました。
CCS事業の推進
当社グループは、2050年カーボンニュートラルを目指す政府や、その実現に向けて積極的に取り組むさまざまな事業者と連携し、国内初の大規模CCS事業を2030年度に開始すべく準備を進めています。
当社グループの石油・天然ガス開発事業では、米国テキサス州において、火力発電所の排ガスから回収したCO2を地中に圧入するCCS/CCUS事業を2016年から商用化しており、地層評価やCO2圧入等に関する技術や知識をすでに有しています。これらのノウハウを最大限活用すると同時に他企業とも協業しながらスケールアップやコストの最小化を推し進め、本格的なCCSの実装を目指します。
具体的な取り組み
- 電源開発(株)、ENEOS、JX石油開発の3社共同で、西日本におけるCO2の貯留検討を目的とした西日本カーボン貯留調査を設立(2023年2月)
- CO2貯留に必要な海洋掘削技術を保有する日本海洋掘削の株式を取得(2023年3月)
ENEOSの国内CCSバリューチェーン