社会性

安全

基本的な考え方

JXTGグループは、エネルギー・資源・素材の安定供給を担う企業グループとして、安全操業を確保することが事業の存立および社会的信頼の基盤、競争力の源泉であると考えています。
このような認識のもと、JXTGグループ理念において「安全」を最優先のテーマの1つと位置付けるとともに、JXTGグループ行動基準にグループの基本方針を定めました。
またこれを踏まえ、グループ各社が労働安全に関するリスクの評価を行い、それぞれの事業特性に合わせて方針を定めることで、実効性を備えた安全活動を重層的に推進しています。
具体的には、協力会社従業員の方々を含めた安全諸活動および安全教育の充実を図るとともに、あらゆる事故・トラブル・自然災害に対する予防策および緊急時対策を講じています。

JXTGグループ行動基準(抜粋)

  1. 2.安全確保
    1. (1)私たちは、安全は事業活動の大前提と位置づけ、安全に関して高い目標を掲げ、常に安全を確保し、あらゆる事故・負傷災害を防止する対策を講じます。
    2. (2)私たちは、地震等の自然災害による事業拠点の被害を最小限に抑えるため、予防策および緊急時対策を講じ、役員、従業員、近隣住民およびその他関係者の生命・身体の安全確保に、全力を尽くします。
    3. (3)私たちは、病気・アルコール・薬物等の影響により、安全が確保されない状況において、就業しません。

中核事業会社における安全に関する方針の詳細は、以下をご参照ください。

体制

JXTGホールディングス社長を議長とするグループCSR会議のもと、JXTGホールディングス環境安全担当部管掌役員(取締役)を委員長とする「JXTGグループ環境安全委員会」(以下、環境安全委員会)を設置しています。
環境安全委員会では、グループ各社の労働災害発生状況や安全活動実施状況などについて評価・情報共有を行うとともに、労働災害防止策の検討・展開を図っています。
具体的な体制については、マネジメント体制をご参照ください。

OHSAS18001認証取得状況

グループ各社では、OHSAS18001※1認証を取得するなど、それぞれの事業特性に合わせた安全管理体制を構築するとともに、労働災害発生時の徹底した原因究明、その結果を踏まえた再発防止策の策定・展開、定期的な安全教育・訓練などを行うことにより、安全意識の向上と労働災害発生防止に継続的に取り組んでいます。
国内におけるOHSAS18001認証取得事業所は11カ所となり、取得率は15%となります。
なお、JX石油開発では、OHSAS18001に則った独自のHSE※2マネジメントシステムを構築し、運用しています。この中でHSE担当者が現場担当者と適宜連絡を取り、安全確認を行っています。

  1. ※1OHSAS18001:労働安全衛生マネジメントシステム。
  2. ※2Health(健康)、Safety(安全)、Environment(環境)の頭文字をとった略語。

安全教育の実施

従業員の安全意識向上に向けて、リスクアセスメントのレベルアップ教育や管理職への安全管理教育、安全集会などの定期的な実施に加えて、JXTGグループ危険体感教育センター(茨城県日立市)での危険感受性向上に向けた危険体感教育を実施しています。

JXTGエネルギーでは、より質の高い環境・安全管理を目指して、環境・安全に関するテーマを全社的に報告する「環境・安全フォーラム」を開催しています。2017年度は、11月に経営陣参加のもとで開催しました。
JX石油開発では、海外事業所(ベトナム、マレーシア)での安全意識向上教育を実施しています。2017年度は、延べ220名が受講しました。

製油所などの相互応援体制の構築

JXTGエネルギーでは、大規模な地震によって災害が発生し、単独での事態収拾が困難な場合に備えて、グループ内で組織的な応援ができるように対応業務や緊急対策など相互応援体制を定め、迅速な災害対応を図れるようにしています。

安全諸活動における主な取り組み実績

JXTGグループは、「重大な労働災害ゼロ」を目標とし、協力会社の方々を含めて安全諸活動および安全教育の徹底を図っています。
2017年度の労働災害は、前年度から1名増加した36名でした。残念ながら請負作業者で1名の死亡災害が発生しました。この原因を徹底的に究明し、再発防止策を策定・実行するとともに、グループ各社にも展開しました。
直接雇用社員の労働災害は、前年度から7名減少した9名の発生でしたが、死亡災害はありませんでした。
度数率(100万延べ労働時間当たりの労働災害による死傷者数)、強度率(1,000延べ労働時間当たりの労働損失日数)は、全産業平均(厚生労働省調査)を大幅に下回っており、2016年度からも良化しました。
2017年度から、重大な労働災害につながる可能性が高いものや発生頻度の高い労働災害について、「グループ共通安全項目」とし、さらなる発生防止に取り組んでいます。

2017年度の主な取り組みとして、熱中症予防管理者教育の実施やハンディータイプのWBGT計の活用、安全帯着用ルールの確認などを行いました。
また、NIPPOが開発したWS(Worker Safety)システムタイヤローラ、ホイルローダーが「Safety2.0適合マーク審査登録制度」に合格し、2018年2月に全産業を通じて第1号として登録されました。

  • 死亡労働災害

グループ共通安全項目

  • 人と重機の分離
  • 転倒防止
  • 墜落・転落防止
  • 熱中症予防
  • 図表中のマークについては編集方針をご確認ください。

労働災害

(名)

      2015年度 2016年度 2017年度
労働災害による死傷者 直接雇用社員 死亡 0 0 0
休業 17 16 9
小計 17 16 9
請負作業者
(協力会社等)
死亡 0 1 1
休業 23 18 26
小計 23 19 27
合 計 40 35 36
  • 労災集計範囲を中核3社(エネ、金属、石油開発)として過年度分も再集計。

度数率の推移

  • 対象範囲:中核3社の製油所、製造所、事業所。(詳細はデータ編をご参照ください。)
  • 事業所範囲の見直しにより、過年度も再集計。
  • 度数率:100万延べ労働時間あたりの労働災害による死傷者数。災害発生の頻度を表す。
    厚生労働省用語解説

強度率の推移

  • 対象範囲:中核3社の製油所、製造所、事業所。(詳細はデータ編をご参照ください。)
  • 事業所範囲の見直しにより、過年度も再集計。
  • 強度率:1,000延べ労働時間あたりの労働損失日数。災害の重さの程度を表す。
    厚生労働省用語解説

VR(バーチャルリアリティ)を活用した安全教育

JXTGグループは、2013年に「JXTGグループ危険体感教育センター」を茨城県日立市に開所しました。この施設は、日常作業内に潜む危険を体感してもらうことを目的に設置したもので、「疑似体験」を通し一人ひとりの安全への意識向上を目指しています。
2017年度は1,503名が受講し、開所以来の受講者数は、延べ8,467名となりました。
また、同センターでは、2017年7月よりVR技術を用いた当社グループ独自の新しい教育プログラムを導入しています。
危険体感教育のポイントである(1)受講者にいかに自分自身の災害と感じさせ、(2)罹災者の心理状態、原因、災害防止対策を受講者に考えさせるという点について、現実には体験しにくい災害事例(水蒸気爆発、重機ひかれ、回転体巻き込まれならびに高所墜落)について被災者の立場で体験することで、その効果を高めることができます。
また、各生産拠点においても危険体感設備を整え、危険体感設備での訓練を経なければ現場作業に携わることができない運用が徹底されるなど、グループ全体で「安全」への取り組みを進めています。

JXTGグループ危険体感教育センター
VR(バーチャルリアリティ)教育設備

人と重機の分離における取り組み

JX金属グループでは、安全上の重要課題の1つに「重機と人との接触事故防止」を設定しています。この背景には、フォークリフト等の重機を使用する機会が多い製造現場においては接触事故のリスクが高く、重篤な災害につながる可能性が高いことが挙げられます。これまでも当社グループの現場では重機と人の通路を区分けするなど、さまざまな対策が検討・実施されてきました。現在は従来の対策から一歩進み、最新の予防安全型技術を活用した対策の導入を全社的に検討しています。2017年度から2018年度にかけてパンパシフィック・カッパー佐賀関製錬所では重機を自動停止する装置、JX金属コイルセンターでは運転者と作業者双方に警報を発令するシステムについて、それぞれ実証試験を行いました。
今回はその中でも佐賀関製錬所において先行して導入が決定した重機自動停止装置とその効果についてご紹介します。

重機自動停止装置「WSシステム」

(株)NIPPO の開発した「WSシステム(Worker Safety System)」は(一社)セーフティグローバル推進機構の定める安全規格「Safety2.0」の適合第1号に認定された重機自動停止装置です。この装置は従来の警報で知らせる方法ではなく、RFID(Radio Frequency Identifier)や、ステレオカメラなどのセンサーで障害物を検知した際、物理的に重機を止める方法で重篤災害の発生を防止することを目指し開発されました。
このうち、RFIDを利用した自動停止装置は重機がバックする際に機体後方に磁界を発生させ、磁界内で作業者のヘルメットに装着したICタグから発信された電波を検知すると、ブレーキが作動し自動停止します。この装置に利用されているRFIDは天候、視界、気温や障害物に影響されにくいことが特長です。また、重機本体の油圧配管や制動装置を改造する必要がなく、容易に着脱可能で導入しやすいことも挙げられます。

  • Safety2.0:情報通信技術(ICT)を活用し、不安全事故の低減と生産性向上を両立させる協調安全(Safety2.0)を社会に普及させることを目的とした規格。

高圧ガススーパー認定取得

JXTGエネルギーでは、2017年12月に川崎製油所、2018年2月に堺製油所が「高圧ガス保安法における新認定事業者制度」において特定認定事業者の第1号、第2号に認定されました。この認定は経済産業省が制定し、高度な安全活動や運転支援システム等の基準を満たした製油所が認定されるものです。今後も特定認定事業者として、さらに高度な自主保安を目指し、質の高い保安活動を推進してまいります。

製油所・製造所などの地震対策の主な取り組み

JXTGグループでは、製油所・製造所などにおいて、さまざまな地震対策を実施しています。

人命保護を目的とした対策

建屋の耐震強化

地震や津波に備え、人命保護を最優先に、事務室や装置を制御するための計器室などについて、自主的に耐震強化を進めています。
また、地震や津波が発生した場合の避難場所と避難方法を定め、災害に備えた訓練を毎年行っています。

設備の耐震強化を目的とした対策

球形タンクのブレース(筋交い)補強

危険物を貯蔵しているタンク設備について、法令に基づく耐震強化工事を進めています。
このうち、浮き屋根式タンクについては、対象となるタンクの改修工事を法定期限(2016年度末)内に完了しました。また、2011年度に法制化された内部浮き蓋付きタンクの耐震強化工事についても、法定期限(2023年度末)までに完了する予定です。
高圧ガス設備については、これまでも行政指導に基づき設備の耐震性評価を行ってきましたが、東日本大震災を踏まえて球形タンクのブレース(筋交い)の耐震強化および重要度が高い設備の耐震対策を実施しています。

減災を目的とした対策

大地震が発生した際に、速やかに装置を安全に停止することを目的として地震計を設置し、地震の大きさにより自動的に装置を停止するシステムを全製油所・製造所に導入しています。

事故・トラブル発生に備えた主な取り組み

防災設備

製油所・製造所および備蓄基地などの万一の事故・災害に備え、さまざまな防災設備を設置するなどの対策を講じています。

流出油対策

海洋汚濁防止訓練におけるオイルフェンス展張の様子

貯蔵タンク設備を複数の防油堤で囲み、タンクから油の漏えいがあった場合でも事業所外への流出を防止するとともに、海上においてはオイルフェンスや油回収船を配備し、油流出にも迅速に対応できるようにしています。

火災対策

各種消防車

万一の大規模火災を想定し、大型化学高所放水車、泡原液搬送車、消火能力の高い泡放水砲に加えて、泡消火設備や散水設備、大型消火器なども多数配置しています。
また、海上における事故・災害に対しては、消火能力を有する防災船を配備しています。

防災訓練

万一の事故・災害に備え、迅速かつ的確な防災活動が行えるように、定期的に自衛防災組織による総合的な防災訓練を行っています。
また、所轄消防署や近隣企業の共同防災組織との合同防災訓練など、さまざまな訓練を積み重ねています。

大容量放射システムの放水訓練の様子
大規模総合防災訓練の様子

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